3行まとめ
- ブックビルディングとは、IPOの株を「いくらで何株ほしいか」証券会社に伝えることです。これがIPOの抽選への申し込みになります。
- 抽選のやり方と、お金が必要になるタイミングは証券会社ごとに違います。申し込む前に確認しましょう。
- 当たったら、決められた期間に「購入の申し込み」をしないと買えません。
この記事でわかること
- ブックビルディングの意味と、申し込みから上場までの流れ
- 申し込むときに入れる内容と、気をつけること
- 抽選のしくみと、お金はいつ必要になるか
- 当たる確率を上げるためにできること
1. ブックビルディングとは?
ブックビルディングとは、IPO(新しく上場する会社の株)を「いくらで、何株ほしいか」証券会社に伝える手続きです。「需要申告」とも呼ばれます。
投資家から見ると、IPOの抽選への申し込みです。ブックビルディングをしないと、基本的に抽選の対象になりません。
なぜこの手続きがあるのか
上場する会社と証券会社は、株を売り出す値段(公開価格)を決める必要があります。そこで「この値段なら、どれくらいの人が買いたいか」を集めて、その結果を見て値段を決めます。これが「ブックビルディング方式」です。日本のIPOでは、ほとんどがこの方式で値段が決まります。
2. 申し込みから上場までの流れ
申し込みから上場までは、およそ2週間です。
| 順番 | やること | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | 上場の承認 | 取引所が上場を認め、日程が発表される |
| 2 | 仮条件の決定 | 値段の範囲が決まる(例:1,070〜1,100円) |
| 3 | ブックビルディング | 値段と株数を伝える=抽選に申し込む |
| 4 | 公開価格の決定・抽選 | 値段が決まり、当選・補欠当選・落選が決まる |
| 5 | 購入の申し込み | 当たった人が「買います」と申し込む |
| 6 | 上場 | 市場で売り買いできるようになる。最初の値段が「初値」 |
実際の日程の例:TOKIUM(2026年11月25日上場予定)
| ブックビルディング | 11月9日(月)〜13日(金) |
|---|---|
| 当選発表 | 11月16日(月) |
| 購入の申し込み | 11月17日(火)〜20日(金) |
| 上場日 | 11月25日(水) |
ほかのIPOの日程はIPOカレンダーで見られます。
3. 申し込むときに入れること
証券会社のサイトで、次の2つを入れて申し込みます。
- 株数:IPOの株は、ふつう100株単位です。公開価格が1,000円なら、100株で10万円です。
- 値段:仮条件の範囲の中から選びます。
値段で気をつけたいのは、あとで決まる公開価格より低い値段で申し込むと、抽選の対象から外れることです。人気のあるIPOは、仮条件の一番高い値段で公開価格が決まることが多いです。低い値段で申し込むと、当たるチャンスがなくなります。
4. 抽選のしくみは証券会社ごとに違う
同じIPOでも、証券会社によって抽選のやり方が違います。公式に公開されている例を2つ紹介します。
| 証券会社 | 抽選のしくみ(公式の説明) |
|---|---|
| SBI証券 | 個人に配る株のうち、60%を抽選、30%を「IPOチャレンジポイント」の多い順に配る。残り10%は取引状況などをふまえて配る |
| 楽天証券 | 抽選日の18時以降に抽選。結果は「当選・補欠当選・落選」。補欠当選は、辞退した人がいると順番に繰り上がる |
「補欠当選」は、当選した人が買わなかったときに回ってくる順番待ちのことです。補欠でも、購入の申し込みをしておかないと繰り上がりません。
5. お金はいつ必要になる?
申し込みの時点で口座にお金が必要な証券会社と、当たってからでよい証券会社があります。
| 証券会社 | お金が必要なタイミング |
|---|---|
| 楽天証券 | 申し込みの時点では不要。抽選日の18時までに入金(公式) |
| SBI証券 | 抽選の時点で必要 |
| マネックス証券 | 申し込みの時点で必要(お金が拘束される) |
| 松井証券 | 抽選の時点では不要。当たってから入金 |
※楽天証券は公式サイト、ほかは「IPO株式投資情報」の2025年10月時点のまとめより。変わることがあるので、申し込む前に各社の案内を確認してください。
6. 当たったあとにやること
- 購入の申し込みを忘れない:当選・補欠当選しても、購入の申し込み期間に手続きしないと買えません。楽天証券では「購入申込を行うことで、株式の購入が確定します」と案内されています。
- 買わないなら辞退する:辞退もできます。ただし、当たったのに買わないとペナルティがある証券会社もあります。たとえば松井証券では、6か月間IPOの抽選の対象外になります。
- 上場日の前から売り注文が出せる:楽天証券では、上場日の前の営業日の17時ごろから売り注文が出せます。
7. 当たる確率を上げるためにできること
人気のIPOは申し込みが多く、当たるのは簡単ではありません。それでも、できることはあります。
- 主幹事の証券会社で申し込む:主幹事(IPOの手続きを中心になって担う証券会社)は、配る株の数が多い傾向があります。主幹事はIPOカレンダーの銘柄ページで確認できます。
- いくつかの証券会社で申し込む:申し込む証券会社が多いほど、抽選の回数が増えます。
- SBI証券のIPOチャレンジポイントを使う:SBI証券では、配る株の30%がポイントの多い順に配られます。ポイントは抽選に外れるとたまる仕組みで、たまったポイントで当たりやすくなります。
当サイトの分析:同じお金で何社に申し込める?
公開価格が2,000円のIPOに100株申し込むと、1社あたり20万円が必要です。お金が必要なタイミングの違いで、手元のお金が20万円しかない人が申し込める数は変わります。
| 申し込み先 | 20万円で申し込めるか |
|---|---|
| 楽天証券だけ | 申し込める(抽選日までに入金) |
| 楽天証券+松井証券 | 両方申し込める(松井証券は当たってから入金) |
| マネックス証券+楽天証券 | マネックス証券に20万円が拘束されるため、楽天証券の抽選日までに別に20万円が必要 |
手元のお金が少ない人ほど、申し込みの時点でお金を拘束しない証券会社から使うと、抽選の回数を増やしやすくなります。ただし、同じ日に抽選がある複数のIPOに申し込むと、それぞれにお金が必要になる場合があります。
よくある質問
ブックビルディングに参加しないとIPOは買えませんか?
基本的には、ブックビルディングに参加しないと抽選の対象になりません。
仮条件のどの値段で申し込めばいいですか?
あとで決まる公開価格より低い値段で申し込むと、抽選の対象から外れます。人気のIPOは、仮条件の一番高い値段で公開価格が決まることが多いです。当たるチャンスを残したいなら、低すぎる値段にしないことが大切です。
当たったのに買わないとどうなりますか?
買う権利がなくなります。証券会社によってはペナルティがあり、松井証券では6か月間IPOの抽選の対象外になります。
IPOそのもののしくみはIPOとは?、大株主の売りの出やすさはロックアップとは?で解説しています。
出典
- 松井証券:IPO・PO 需要申告(ブックビルディング)
- 楽天証券:IPO・POの始め方
- SBI証券:新規公開株等の配分方針
- IPO初心者の部屋:SBI証券のIPOチャレンジポイント
- IPO株式投資情報:IPOの資金拘束のタイミング(2025年10月時点)
- 日本取引所グループ:新規上場会社情報
この記事は情報提供を目的としたもので、特定の銘柄や証券会社をおすすめするものではありません。各社の条件は変わることがあるため、申し込む前に公式の案内を確認してください。(免責事項)

