3行まとめ
- 米雇用統計は、米国で働く人の増え方や失業率を示す、世界でいちばん注目される経済指標のひとつです。
- 発表は原則として毎月第1金曜日。次回は11月6日(金)の日本時間22時30分(10月分)です。
- 結果が予想より良いと、円安・ドル高になりやすいです。株価は、そのとき市場が「景気」と「金利」のどちらを気にしているかで動き方が変わります。
この記事でわかること
- 米雇用統計とは何か、まず見る3つの数字
- 2026〜2027年の発表スケジュール(日本時間)
- 結果が良いとき・悪いとき、株価とドル円はどうなるか
- 予想はどこで見るか
- 最新(9月分)の結果と読み方
1. 米雇用統計とは?「米国の働く人の通信簿」
米雇用統計は、米国労働省の労働統計局(BLS)が毎月出す統計です。何人分の仕事が増えたか、失業している人の割合、給料の上がり方がわかります。
米国の経済は、約7割が個人の買い物(消費)で動いているとされます。消費を支えるのは、働く人の収入です。だから雇用統計は、景気の強さを知るいちばん大事な指標として、世界中の投資家に注目されています。
2. まず見る3つの数字
| 数字 | わかること | 見るポイント |
|---|---|---|
| 非農業部門雇用者数(NFP) | 農業以外で働く人が、前の月より何人増えたか | 予想より多いか少ないか。いちばん注目される |
| 失業率 | 働きたい人のうち、仕事がない人の割合 | 上がると景気が弱っているサイン |
| 平均時給 | 時給がどれだけ上がったか | 上がりすぎると物価が上がり、利上げの材料になる |
雇用者数は、過去2か月分が毎回直されます(修正)。速報の数字だけでなく、直された大きさにも注意しましょう。
3. 発表スケジュール(日本時間)
発表は米国東部時間の午前8時30分です。日本時間では、冬時間が22時30分、夏時間(3月第2日曜〜11月第1日曜)が21時30分です。
| 発表日 | 日本時間 | 対象の月 |
|---|---|---|
| 2026年11月6日(金) | 22時30分 | 10月分 |
| 12月4日(金) | 22時30分 | 11月分 |
| 2027年1月8日(金) | 22時30分 | 12月分 |
| 2月5日(金) | 22時30分 | 1月分 |
| 3月5日(金) | 22時30分 | 2月分 |
| 4月2日(金) | 21時30分 | 3月分 |
| 5月7日(金) | 21時30分 | 4月分 |
| 6月4日(金) | 21時30分 | 5月分 |
(米国労働統計局の発表予定より)祝日などで、第1金曜日からずれることもあります。
4. 雇用統計が良いと、株価とドル円はどうなる?
雇用統計の結果は、「景気の見通し」と「FRBが金利をどうするか」の両方を変えます。
| 結果 | 金利の見通し | ドル円 | 株価 |
|---|---|---|---|
| 予想より良い | 利上げしやすい | 円安・ドル高になりやすい | 景気には追い風。ただ金利が上がると重荷にも |
| 予想より悪い | 利上げしにくい・利下げしやすい | 円高・ドル安になりやすい | 金利が下がるのは追い風。ただ景気不安が重荷にも |
物価の上がり方が心配されている時期は、良すぎる結果が「利上げにつながる」として、株価が下がることもあります。今は9月に利上げがあったばかりなので、この見方に注意が必要です(FOMCとは?)。
5. 予想はどこで見る?
市場の予想は、証券会社やFX会社の「経済指標カレンダー」で見られます。発表の数日前から、雇用者数・失業率・平均時給の予想が載ります。
大事なのは数字そのものより、予想とのちがいです。たとえば雇用者数が10万人増でも、予想が20万人増なら「悪い結果」と受け止められます。
6. 最新の結果:2026年9月分(10月2日発表)
| 項目 | 結果 | 予想 |
|---|---|---|
| 雇用者数 | 2.9万人増 | 9.0万人増 |
| 過去分の修正 | 7・8月の合計で6.0万人下方修正 | - |
| 失業率 | 4.2%(前月4.1%) | 4.1% |
| 平均時給(1年前比) | 3.0%上昇(2021年以来の低さ) | 3.1%上昇 |
読み方:見た目ほど悪くない
- 雇用者数の伸びは大きく鈍った:ただ3か月の平均では月5.1万人増で、前の月と同じくらいです。大和総研は、ならせば底堅さは残っていると見ています。
- 失業率が上がった理由:働く人と仕事を探す人が、どちらも増えたためとみられます(労働参加率は61.8%に上昇)。
- 給料の伸びは鈍った:雇用の面から、物価を押し上げる力は強まっていないとみられます。
発表直後は米国の金利が下がりました。ただ中身が見た目ほど悪くなかったため、その後は戻しています(ピクテ・ジャパン)。9月分は企業からの回答が少なかったため、次回に大きく直される可能性も指摘されています。
7. 「ADP雇用統計」とのちがい
雇用統計の2日前(水曜日)に、民間の給与計算会社ADPが「ADP雇用統計」を出します。民間企業の雇用の変化を示すもので、本番の前の目安として注目されます。ただ調べ方がちがうので、数字が大きく食いちがうこともよくあります。
8. 日本の個人投資家への影響
- 発表は日本時間の夜:直後の数分で、ドル円や米国株の先物が大きく動くことがあります。
- オルカン・S&P500:米国株とドル円の両方の影響を受け、次の営業日の値段に反映されます。
- 長期の積立なら:1回の発表で方針を変える必要はない、と考えるのが一般的です。
当サイトの整理:12月のFOMCまでの雇用統計
12月8〜9日のFOMCで、もう1回利上げするかを考える材料になるのは、次の2回です。
- 11月6日(10月分):9月分が弱かったので、続けて弱いかが焦点です。2回続けて弱いと、利上げを見送る見方が強まりやすくなります。
- 12月4日(11月分):FOMCの直前に出る、最後の雇用のデータです。
9月分の数字は回答率が低く、修正が大きくなる可能性があります。11月6日は、10月分だけでなく9月分がどう直されたかも見ておくと、流れをつかみやすくなります。物価の指標はCPIとは?で説明しています。
よくある質問
米雇用統計はいつ発表されますか?
原則として毎月第1金曜日です。日本時間では冬時間が22時30分、夏時間が21時30分です。次回は11月6日(金)22時30分(10月分)です。
雇用統計が良いとどうなりますか?
利上げの見方が強まり、円安・ドル高になりやすいです。株価は景気には追い風ですが、金利が上がる心配から下がることもあります。
ADP雇用統計とはどうちがいますか?
ADP雇用統計は、民間の会社ADPが本番の2日前に出す、民間企業の雇用の数字です。調べ方がちがうので、数字が大きく食いちがうこともあります。
関連記事:FOMCとは?/CPIとは?/円安・円高でオルカンはどうなる?
出典
- 米国労働統計局(BLS):The Employment Situation 発表スケジュール
- OANDA証券:米国雇用統計とは
- ピクテ・ジャパン:2026年9月の米雇用統計(2026年10月5日)
- 大和総研:米国雇用統計(2026年9月)(2026年10月5日)
この記事は情報提供を目的としたもので、特定の金融商品の売買を勧めるものではありません。投資の判断はご自身でお願いします。(免責事項)

