高配当株投資とは?やめとけの理由と高配当ETF3本を比較

高配当株投資とは?|配当利回りの見方・税金・注意点

3行まとめ

  • 高配当株とは、株価にくらべて配当が多い株です。目安は配当利回り3.5〜4%以上。東証プライム全体の平均は2.10%です。
  • 個別株を選ぶのが不安なら、高配当株をまとめて買えるETFや投資信託もあります。代表的な3本の利回りは2.8〜3.3%、手数料は年0.1〜0.3%です。
  • 「やめとけ」と言われる理由(減配・税金・業種のかたより)は、選び方とNISAでかなり小さくできます。

この記事でわかること

  • 高配当株の目安と、配当利回りの計算
  • 「やめとけ」と言われる理由と、その対策
  • 実際に配当を増やし続けている会社の例
  • 高配当ETF・投資信託3本の利回り・手数料・分配月の比較
  • オルカンとのちがい、税金とNISA、配当をもらうための買う日

1. 高配当株とは?目安は利回り3.5〜4%

会社は、もうけの一部を株主に配ります。これが配当です。高配当株は、株価にくらべてこの配当が多い株のことです。

決まった定義はありませんが、配当利回り3.5〜4%以上を目安にする見方が多いです(投資のコンシェルジュ)。東証プライムの全銘柄の平均は2.10%です(2026年1月末、日本取引所グループ)。平均の1.7〜1.9倍くらいの利回りが「高配当」の目安といえます。

2. 配当利回りの計算と、2種類の利回り

配当利回り(%)= 1株の年間配当 ÷ 株価 × 100

株価 1株の年間配当 配当利回り
2,000円 80円 4.0%
2,000円 40円 2.0%
1,600円(値下がり) 80円 5.0%

3行目のように、配当が同じでも株価が下がると利回りは上がります。利回りが高い=良い会社、とは限りません。

利回りには、去年の配当で計算する「実績」と、会社の見通しで計算する「予想」があります。これからもらう配当を考えるなら「予想」を見ます。記念配当など1回きりの配当が入っていると、「実績」が高く見えることがあるためです。

3. 「高配当株はやめとけ」と言われる5つの理由と対策

言われる理由 中身 小さくする方法
配当が減る 業績が悪くなると、減配・無配になる。株価も下がりやすい 何年も配当を減らしていない会社を選ぶ
高配当のわな 株価が下がって、見かけの利回りが高いだけのことがある 利回り5%超は理由を調べる
税金がかかる 配当のたびに約20%引かれる NISAで持つ
成長しにくい もうけを配当に回す分、事業への投資は少なめ 成長は投資信託などで補う
業種がかたよる 銀行・商社・リース・エネルギーなどに集まりやすい 業種を分ける、ETFを使う

「高配当のわな」に近いルールは、プロの指数にも入っています。日経平均高配当株50指数は、3期続けて赤字の会社や、株価が大きく下がって順位が上がった会社を入れません。さらに、利回りは5%を上限として計算します(日本経済新聞社の算出要領)。利回りが高すぎる株には理由がある、という考え方です。

4. 実際に配当を増やし続けている会社の例

配当を何年も増やし続けている会社は、配当を大事にしている会社といえます。野村證券が、予想配当利回り3%以上で連続して増配している会社をまとめています。

会社 連続増配 予想配当利回り
三菱HCキャピタル 28期 3.71%
サンドラッグ 25期 3.61%
芙蓉総合リース 22期 3.95%
アイカ工業 18期 3.57%
積水化学工業 17期 3.13%
日本ゼオン 17期 3.34%
NTT 16期 3.39%

(野村證券、2026年8月19日時点。3月決算のTOPIX500の会社が対象。連続増配は予想をふくむ)

上位3社のうち2社はリース会社です。高配当株は業種がかたよりやすい、という点がここにも表れています。なお、これまで増配してきたからといって、この先も続くとは限りません。この記事は特定の銘柄をすすめるものではありません。

5. 配当を続けられる会社の見分け方

見るところ 意味 目安
配当性向 もうけの何%を配当に回すか 30〜50%くらいが安定の目安。高すぎると減配しやすい
業績の流れ 売上や利益が伸びているか 伸びていれば配当も増やしやすい
配当の流れ 減配したことがあるか 長く減配していない会社は配当を大事にしている
お金の余裕 借金頼みでなく、稼いだお金で配当を出せているか 自己資本比率やキャッシュフローで確かめる

配当性向などの数字は、会社の決算短信や、証券会社の銘柄ページで見られます。

6. 個別株が不安なら:高配当ETF・投資信託3本を比較

銘柄を選ぶ手間をなくしたいなら、高配当株をまとめて買える商品があります。1本で数十〜100社に分けられるので、1社の減配の影響が小さくなります。人気の3本をくらべました。

NF・日経高配当50 ETF(1489) SBI日本高配当株式(分配)ファンド 楽天・SCHD
投資先 日本株50社 日本の高配当株 米国株約100社
手数料(年) 0.308% 0.099% 約0.124%
直近1年の利回り 2.95% 約3.3% 約2.8%
分配の月 1・4・7・10月 1・4・7・10月 2・5・8・11月
買い方 株と同じ(市場で売買) 投資信託 投資信託

(1489は野村アセットマネジメントの公表値で、2026年10月22日基準です。SBIは「直近1年の分配金570円÷基準価額17,234円」、楽天・SCHDは「直近1年の分配金360円÷基準価額13,022円」で当サイトが計算しました)

1489は、日経平均の225社のうち、予想配当利回りが高い50社を選びます。見直しは年1回で、1社の比率は5%までです。楽天・SCHDは、米国のETF(SCHD)に投資する商品です。生活必需品・ヘルスケア・エネルギーの比率が高めです(2026年9月末)。

7. 高配当株とオルカン、どっちがいい?

目的がちがうので、どちらが上とは言えません。

高配当株 オルカン
向いている目的 今からお金を受け取りたい 時間をかけて増やしたい
お金の受け取り方 配当として入る 売って受け取る(分配金は原則出さない方針)
手間 銘柄選び・分散が必要 1本で世界中に分散

NISA以外の口座では、配当を受け取るたびに税金がかかり、その分増え方が遅くなります。増やすことだけが目的なら、配当を出さずに中で回す投資信託の方が有利な場面もあります。オルカンを土台にしつつ、成長投資枠で高配当株を持つ人も多いです(つみたて投資枠と成長投資枠の違い)。

8. 配当の税金とNISA

日本の株の配当には20.315%の税金がかかります(国税庁)。1万円の配当なら、手取りは約7,970円です。

NISAで持つ株の配当には、この税金がかかりません。ただし、配当の受け取り方を「株式数比例配分方式」(証券口座で受け取る方法)にしておく必要があります。ほかの方法だと、NISAの株でも税金が引かれ、確定申告をしても戻りません(マネックス証券)。設定のしかたは楽天証券の配当金の受け取り方法で説明しています。

なお、2027年1月からは税金の内訳が変わる予定です(国税庁)。

9. 配当をもらうには「権利付き最終日」までに買う

配当をもらえるのは、会社が決めた日(権利確定日)に株主名簿に載っている人です。名簿に載るまで日数がかかるので、権利確定日の2営業日前(権利付き最終日)までに買う必要があります(大和証券)。

次の営業日は「権利落ち日」です。配当の分だけ株価が下がりやすいので、配当だけを目当てに直前に買っても、得をするとは限りません。

当サイトの分析:数字で見る高配当投資の注意点

① 分配は「毎月同じ額」ではない

1489の直近1年の分配金(100口あたり)は、1月800円、4月3,800円、7月900円、10月4,900円でした。1年分の約84%が4月と10月に集中しています。日本の会社の配当が、3月末と9月末の決算に集中するためです。

毎月のお金にしたいなら、分配月がちがう商品を組み合わせます。たとえば日本の高配当(1・4・7・10月)と楽天・SCHD(2・5・8・11月)を組み合わせます。すると、1年のうち8か月で分配が入ります。

② 100万円ずつ持つと、1年の分配はいくら?

商品 利回り 100万円の1年の分配(税引前)
東証プライム平均(参考) 2.10% 約2.1万円
楽天・SCHD 約2.8% 約2.8万円
1489 2.95% 約3.0万円
SBI日本高配当 約3.3% 約3.3万円

NISAで持てば、この額がそのまま手取りになります(楽天・SCHDは、米国の税金がファンドの中で引かれた後の分配です)。ふつうの口座なら約2割が引かれます。直近1年の実績なので、これからも同じ額とは限りません。

③ 日本株と米国株、口座で手取りはいくら変わる?

配当1万円(個別株) 課税口座 NISA
日本株 約7,968円 10,000円
米国株 約7,172円 9,000円

米国株は、NISAでも米国の税金10%が引かれます。NISAで増える額は日本株の方が約200円大きいので、NISAの枠が足りないときは日本株を優先すると効果が大きい計算です。月1万円の配当に必要な金額は配当金月1万円にはいくら必要?で計算しています。

よくある質問

高配当株は何%から?

決まった定義はありませんが、配当利回り3.5〜4%以上が目安です。東証プライムの平均は2.10%です(2026年1月末)。

高配当株がダメと言われる理由は何ですか?

配当が減るおそれ、税金、成長しにくさ、業種のかたよりなどです。配当を続けている会社を選ぶ、NISAで持つ、ETFで分けることで、多くは小さくできます。

高配当株は個別株とETF、どっちがいいですか?

銘柄を選んで管理できるなら個別株、手間をかけずに分けたいならETFや投資信託が向いています。ETF・投資信託は年0.1〜0.3%ほどの手数料がかかります。

関連記事:配当金月1万円にはいくら必要?/楽天証券の配当金の受け取り方法/オルカンとS&P500どっちがいい?

出典

この記事は情報提供を目的としたもので、特定の銘柄や金融商品の売買を勧めるものではありません。利回りや分配金は過去の実績で、将来を約束するものではありません。投資の判断はご自身でお願いします。(免責事項)