円安・円高でオルカンはどうなる?影響と円高時の計算例

円安・円高とオルカン|為替の影響の仕組みと計算例

3行まとめ

  • オルカンは中身の約95%が海外の株で、為替の影響をおさえるしくみ(為替ヘッジ)がありません。
  • そのため円安だと値段が上がりやすく、円高だと下がりやすくなります。株価が同じでも、1ドル158円→140円なら約11%下がる計算です。
  • 為替の先は誰にも読めません。積立で買う時期を分ければ、「円安のときに買ってしまった」心配は小さくなります。

この記事でわかること

  • 円安・円高でオルカンが動くしくみ
  • 計算例:為替だけ動いたとき、株と為替が一緒に動いたとき
  • 今から円高になったら、いくら下がるか
  • 今の円安の理由と、円高になるきっかけ
  • 円安のときにオルカンを買ってもいいのか

1. オルカンの中身:約95%が海外の株

オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー))は、世界中の株にまとめて投資できる投資信託です。国ごとの割合は次のとおりです。

国・地域 割合
アメリカ 63.1%
日本 5.0%
イギリス 3.2%
カナダ 3.0%
台湾 2.8%

(三菱UFJアセットマネジメントの月次レポート、2026年7月31日時点)

日本の株は約5%だけです。残りの約95%は、ドルやユーロなど外国のお金で値段がつく株です。そしてオルカンは、原則として為替ヘッジをしません。為替の動きが、そのまま値段に出ます。

2. 円安・円高で値段が動くしくみ

オルカンの値段(基準価額)は、海外の株の値段を円に直して計算します。

  • 円安(1ドル150円→160円):同じ1ドルの株が、円で見ると高くなります。だから値段は上がりやすくなります。
  • 円高(1ドル160円→150円):同じ1ドルの株が、円で見ると安くなります。だから値段は下がりやすくなります。

3. 計算例でみる為替の影響

例1:株価は同じで、為替だけが動いた

株価 為替 円での価値
はじめ 100ドル 150円 15,000円
円安 100ドル 160円 16,000円(+6.7%)
円高 100ドル 140円 14,000円(−6.7%)

株価がまったく動かなくても、為替だけで円での価値が変わります。

例2:株価と為替が一緒に動いた

株価 為替 円での価値
10%上がる 5%円安 約15.5%上がる
10%上がる 5%円高 約4.5%上がる
10%下がる 5%円安 約5.5%下がる
10%下がる 5%円高 約14.5%下がる

株安と円高が重なると、下がり方が大きくなります。逆に、株が下がっても円安が進めば、下がり方はやわらぎます。

※日本株の部分(約5%)は為替の影響を受けないので、実際の影響は少し小さくなります。手数料(信託報酬)も入れていません。

4. 今の円安の理由

2026年10月20日時点で、ドル円は1ドル158円台半ばでした(OANDA証券)。よく挙げられる理由は次の2つです。

  • 米国の金利が高い:米国の中央銀行(FRB)は2026年9月に、約3年ぶりに金利を上げました。政策金利は3.75〜4.00%です。
  • 日米の金利差:米国の金利が日本より高いと、金利の高いドルでお金を持ちたい人が増えます。そのためドルが買われ、円が売られやすくなります。

米国の金利を決める会議については、FOMCとは?で説明しています。

5. 円高になるきっかけ

円安のときのオルカンは、為替で値段が「かさ上げ」されている状態です。円高にもどれば、株価が同じでも値段は下がります。

  • 日米の金利差が縮む:米国が金利を下げる、日本が金利を上げる、などです(日銀の金融政策決定会合とは?)。
  • 世界の景気が不安になる:「安全なお金」として円が買われ、株安と円高が一緒に起きることがあります。

為替がどちらに動くかを当てるのは、専門家でもむずかしいとされています。

6. 円安のときにオルカンを買ってもいい?

買う時期を一度に決めないことが大切です。当サイトは売り買いの時期をおすすめしませんが、よく使われる考え方を紹介します。

  • 積立で時期を分ける:毎月同じ金額を買うと、円安のときは少なく、円高のときは多く買えます(ドル・コスト平均法)。
  • 為替ヘッジありの商品を選ぶ:為替の影響をおさえる投資信託もあります。ただしコストがかかり、日米の金利差が大きいほど高くなりやすい点に注意しましょう。
  • 長く持つほど、株の成長が大きく効くという考え方もあります。ただし、この先も同じとは限りません。

当サイトの分析:今から円高になったら、いくら下がる?

1ドル158円のときにオルカンを100万円分持っていて、株価は変わらず、為替だけが動いた場合を計算しました。海外の株(約95%)がすべてドルと同じように動くと仮定しています。

1ドルの値段 為替の変化 オルカンの変化 100万円は
150円 −5.1% 約−4.8% 約95.2万円
140円 −11.4% 約−10.8% 約89.2万円
130円 −17.7% 約−16.8% 約83.2万円

1ドル140円まで円高になると、株価が同じでも約1割下がる計算です。ただ、5年で見るとオルカンは年率約19%増えていました(2026年9月末、マネックス証券)。為替の上下より、株そのものの成長の方が大きかった時期もあります。

円高で下がる時期があることを、はじめから知っておきましょう。そのうえで積立を続けるのが、よく使われる向き合い方です。

よくある質問

円安になるとオルカンはどうなりますか?

株価が同じなら、値段は上がりやすくなります。1ドル150円から160円になると、海外の株の部分は円で見て約6.7%上がります。

円高になるとオルカンは損しますか?

円高は値段が下がる原因です。株価が同じでも、1ドル158円から140円になると約11%下がる計算です。株安と重なると、下がり方はさらに大きくなります。

為替の影響をおさえる方法はありますか?

為替ヘッジありの投資信託を選ぶ方法があります。ただしコストがかかります。積立で買う時期を分けるのも、ひとつの方法です。

関連記事:オルカンを売却したら入金はいつ?/オルカンとS&P500どっちがいい?/FOMCとは?/積立3万円のシミュレーション

出典

この記事は情報提供を目的としたもので、特定の金融商品の売買を勧めるものではありません。計算例はしくみを説明するための仮のもので、実際の運用成果を示すものではありません。投資の判断はご自身でお願いします。(免責事項)