3行まとめ
- オルカンは世界の約2,400社(うち米国が約63%)、S&P500は米国の大きな会社約500社に投資します。
- 直近5年の成績はS&P500が上でした(年率21.3%と19.4%)。ただ、2000年代や2025年のようにオルカンが勝つ時期もあります。
- 選び方の基準は「米国にどれだけかたよりたいか」です。コストの差は小さいので、あまり気にしなくて大丈夫です。
この記事でわかること
- オルカンとS&P500の中身のちがい
- リターン(利回り)の比較:1年・3年・5年
- 今買うならどっちがいいか、考え方の目安
- 両方持つのは意味ないのか
- コストの差は、どれくらい効くのか
1. ひと目でわかる比較表
代表的な2つの投資信託でくらべます。「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(オルカン)と、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」です。
| オルカン | S&P500 | |
|---|---|---|
| 投資先 | 日本をふくむ世界の株 | 米国の大きな会社 |
| 会社の数 | 2,414社(2026年7月末) | 約500社 |
| 米国の割合 | 63.1%(2026年7月末) | ほぼ100% |
| 信託報酬(年) | 0.05775%以内 | 0.0814%以内 |
| 純資産 | 約13.9兆円 | 約13.0兆円 |
(三菱UFJアセットマネジメントの月次レポート、マネックス証券のファンドページより。信託報酬は、持っている間ずっとかかる手数料です)
どちらも、日本でいちばん大きい部類の投資信託です。為替の影響をおさえるしくみ(為替ヘッジ)は、どちらもありません。
2. 中身のちがい:オルカンの6割強は米国株
「全世界」といっても、オルカンの63.1%は米国株です(2026年7月末)。世界の株式市場で、米国の会社がとても大きいためです。オルカンは会社の大きさ(時価総額)に合わせて買うので、米国の割合が大きくなります。
残りの約37%は、日本(5.0%)、イギリス(3.2%)、カナダ(3.0%)、台湾(2.8%)などです。
上位の会社は、アップル、エヌビディア、マイクロソフト、アマゾン、アルファベット(グーグル)などです。ここは、どちらもほぼ同じ顔ぶれです。
3. リターンをくらべる:直近はS&P500がやや上
2026年9月末までの成績(1年あたりの平均の増え方)です。
| 期間 | オルカン | S&P500 |
|---|---|---|
| 1年 | +24.3% | +22.9% |
| 3年(年率) | +24.0% | +24.7% |
| 5年(年率) | +19.4% | +21.3% |
(マネックス証券のファンドページ、2026年9月末時点のトータルリターン)
5年で見ると、S&P500が年2%ほど上でした。100万円が5年で、S&P500は約262万円、オルカンは約243万円になった計算です。一方、直近1年はオルカンが上回っています。
もっと長い目で見ると、勝つ方は時代で入れ替わっています。
| 時期 | 上回った方 | 背景 |
|---|---|---|
| 1990年代 | S&P500がやや上 | - |
| 2000年代 | オルカン(の指数) | 米国以外の国が伸びた |
| 2010年代〜 | S&P500 | 米国のIT大手がけん引 |
| 2025年 | オルカン(米ドル建て) | 欧州・日本などが好調、ドル安 |
(ビジネスインサイダー・ジャパンの記事より)「最近勝っている方」が、この先も勝つとは限りません。
4. それぞれのよいところ・弱いところ
| オルカン | S&P500 | |
|---|---|---|
| よいところ | 1本で世界中に分散できる。国の割合が自動で入れかわる | 伸びている米国の大企業に集中できる |
| 弱いところ | 米国が特に強い時期は、S&P500に負けやすい | 米国の景気やドルが弱いと、影響を大きく受ける |
5. 今買うならどっちがいい?
答えは「米国にどれだけかけたいか」で決まります。ビジネスインサイダー・ジャパンの記事では、次のような考え方が紹介されています。
| こう考えるなら | 合いやすい方 |
|---|---|
| 米国の強さとドル高が、この先も続く | S&P500 |
| 米国以外の国の成長やドル安も考えておきたい | オルカン |
| 米国は多めにしたいが、全部は不安 | 両方を組み合わせる |
迷って始められないのが、いちばんもったいない状態です。どちらを選んでも、長く積み立てを続けることの方が大切です。
6. 「両方持つのは意味ない」は本当?
半分は本当です。オルカンの6割強は米国株なので、両方持つと中身の多くが重なります。「分散のため」に両方持つなら、効果は小さくなります。
一方で、両方持つと、米国の割合を調整できます。半分ずつなら、米国の割合は約8割です(63%と100%の平均)。「米国を多めに、でも全部ではなく」という目的なら、意味はあります。
7. 共通の注意点:円高で下がる
どちらも、円安だと値段(基準価額)が上がりやすく、円高だと下がりやすくなります。しくみと計算例は円安・円高でオルカンはどうなる?で説明しています。米国の金利の動きにも影響されます(FOMCとは?)。
当サイトの分析:コストの差と、中身の差はどっちが効く?
信託報酬の差は、年0.02365%です。増えた分を考えずに計算すると、次のとおりです。
| 投資額 | 1年の差 | 20年の差 |
|---|---|---|
| 100万円 | 約237円 | 約4,730円 |
| 1,000万円 | 約2,365円 | 約4.7万円 |
一方、3章で見たとおり、5年の成績の差は年2%ほどありました。コストの差(年0.02%)の、およそ80倍です。
つまり、結果を大きく左右するのはコストより中身(米国の割合)です。選ぶときは、手数料の安さより「米国にどれだけかたよりたいか」を考えましょう。
※記事中の公式データをもとに計算したものです。将来の成果を示すものではありません。
よくある質問
今買うなら、オルカンとS&P500のどっちがいいですか?
米国の成長にかけたいならS&P500、国を分けて1か国のリスクを減らしたいならオルカンが合います。勝つ方は時代で入れかわるので、選んだら長く続けることが大切です。
オルカンとS&P500の利回りはどれくらいちがいますか?
2026年9月末までの5年では、年率でS&P500が約21.3%、オルカンが約19.4%でした。直近1年では、オルカンが上回っています。
オルカンとS&P500を両方持つのは意味がないですか?
分散が目的なら、効果は小さめです。米国の割合を調整したいなら意味があり、半分ずつなら米国は約8割になります。
関連記事:円安・円高でオルカンはどうなる?/つみたて投資枠と成長投資枠の違い/積立3万円のシミュレーション
出典
- 三菱UFJアセットマネジメント:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)月次レポート(2026年7月31日現在)
- マネックス証券:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- マネックス証券:eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- ビジネスインサイダー・ジャパン:オルカン優位は2026年も続くか
この記事は情報提供を目的としたもので、特定の金融商品の売買を勧めるものではありません。過去の実績は将来の成果を保証するものではありません。投資の判断はご自身でお願いします。(免責事項)

